出荷時期:9月下旬〜10月下旬
極早生みかんとは、10月下旬頃までの期間に出荷される青みがかったみかんの品種の事で、12月頃に旬を迎える温州みかんとは別の品種になります。
この極早生みかんの醍醐味は何と言っても甘酸っぱい味わいにあります。
温州みかんのように完全にオレンジ色になるまで置いておくと、逆に味がぼけてしまう性質があります。
出荷時期:10月下旬〜12月中旬
宮川早生とは、味の「まろやかさ」が特徴の温州みかんで、中島みかんで一番多く扱っている品種です。
1910年頃に福岡県山門郡城内村(現柳川市)の宮川謙吉邸にて発見された枝変わりを、
1925年に田中長三郎が発表し、育てやすく収量性が良いなど優れた特徴を持つため古くから全国的に広く栽培される様になりました。
現在でも早生温州の代表的な品種で、ハウス栽培用としても広く用いられています。
出荷時期:12月上旬〜12月下旬(希少種)
南柑20号とは、中生温州の代表的な品種で、愛媛県、特に南予地方
(愛媛県は東予・中予・南予地方に分けられる)において主力品種とされています。
皮はやや厚く、じょうのう(袋)が薄いのが特徴です。
また、果肉は緻密な上に、酸が少なく糖度が高いので、食味がとても良い品種です。
「酸っぱいみかんは駄目。とにかく甘〜いみかんが好き!」という方にお薦めです。
しかし、甘いといっても、早生品種とは異なる食味です。
外観も扁平なので、コタツの上でのもどっしりとした安定感もお正月にピッタリかもしれません。
1926年に愛媛県宇和島市の今城辰男氏の果樹園にて発見された系統で、
本種を優良系統として選抜した南予柑橘分場(現愛媛県立果樹試験場南予分場)に
因んで名付けられました。
温州みかんは、室町時代末期から「温州橘(うんじうきつ・うんじゅきつ)」で見られ、江戸時代から温州蜜柑や唐蜜柑と呼ばれています。温州は中国浙江省(せつこうしょう)の地名で、みかんの中心産地として知られています。しかし、原産は鹿児島県出水郡長島町と考えられており、中国には温州みかんと同じ品種が存在しないことから、
原産地に由来する名ではなく、遣唐使が温州から持ち帰った種(もしくは苗)から突然変異して生まれたため、「温州みかん」の名が付いたと考えられています。
温州みかんの親品種は、DNA鑑定の結果からクネンボと考えられ、クネンボの伝来が室町時代で時期的にも合うため間違いないと思われますが、クネンボは沖縄を経て伝来しているため、温州みかんは遣唐使が温州から持ち帰ったために付いた名ではなく、みかんの産地として有名であった「温州」にちなんだだけとも考えられています。
アメリカでは「Mikan(ミカン)」の名称のほか、薩摩(鹿児島県)から渡ったため「Satsuma(サツマ)」とも呼ばれます。また、ナイフで皮を剥くオレンジと違い、温州みかんはテレビを観ながらでも食べられることから、アメリカ・カナダ・オーストラリアなどでは、「TV Orange(テレビオレンジ)」の愛称が付けられています。
出荷時期:12月中旬〜12月下旬(希少種)
太田ポンカンとは、香り豊かで糖度が高く、濃厚な味と扁平で小さめの外観が特徴とされている、早生品種のポンカンです。
亜熱帯性の気候を好み、温度や水分の要求量の多い品種です。
そのため冷害には弱く、寒さに厳しい冬では早めの収穫をせまられることもあります。
その生理的な特徴から、雨の多い年に品質が向上すると一般に考えられています。
少し種があることを除けば、食べやすさや食味の面では欠点のない品種なのですが、「ス上がり」と呼ばれる大きな欠点も持っています。
1983年に品種登録されたそうですから、ミカンとしては新しい品種といえます。ちなみにポンカンの原産国はインドで、「凸柑」とも表記します。ポンカンの「ポン」は、原産国インドの西部にある地名「Poona(プーナ)」に由来します。「Poona」を音写したものが「椪柑」の「椪」で、中国音で「ピエン」のように発音されます。これを日本で「ポン」と発音し「ポンカン」となりました。ポンカンの「カン」は、柑橘類をさす「柑」です。
出荷時期:12月中旬〜1月下旬(人気種)
今津ポンカンとは、糖度が高く酸味が低い、甘味の強さが特徴の品種です。
皮はむき易く、薄皮はとても柔らかいので袋ごと食べられます。気になる程ではないですが、少量の種があります。
毎年必ずリピーターから問合わせがあり、高い人気を博しています。
南国原産であるため、日本での栽培は九州以南、四国の一部に限られるようです。
その中でも、宇和島市は日本でも有数のポンカン産地です。
出荷時期:12月下旬〜1月中旬
宮内いよかんとは、色鮮やかで肉質が柔らかく、果汁もたっぷりで香りもよく、種も少ない品種です。別名「柑橘の王様」。甘夏みかん同様、中袋も剥いて食べます。
市場に流通する宮内いよかんの8割以上を愛媛県産が占めているそうです。「伊予柑」は、もともと明治19年に山口県で発見され、当初は穴門ミカンと呼ばれていました。穴門とは、現在の山口県北部にあたる長門国一帯の古名です。
明治22年に愛媛県松山市の三好保徳氏が原木を購入し、松山周辺(温暖な温泉地である『伊予の道後温泉郷』)に移植し産地が形成され、伊予蜜柑・伊予美柑(いよみかん)という名で出荷されるようになりました。
昭和初期に、正式に「伊予柑(いよかん)」と名づけられ、それから約70年後の昭和30年に宮内義正氏の果樹園で肉質が柔らかく果汁たっぷりで香りが良く、種も少ない極めて良質の新種が発見されました。それを育て上げものが、現在の「宮内いよかん」となりました。
出荷時期:2月下旬〜3月上旬(超希少種、超人気種)
デコポン(不知火)とは、 昭和47年に農林水産省果樹試験場口之津支場で清見オレンジにポンカンを交配して作られた品種です。
デコが現れやすく果面も粗く、果皮色も淡いうえに果形の不揃いなど外観上の理由から、長い間、市場に出回ることはありませんでした。
しかし、糖度は13−14と高く食味がよいことから平成2年、熊本県果樹指導者会議で優秀性が認められ、広く普及されることになりました。
ユニークな「デコ」が出ているのが特徴で、デコのないものもありますが中身は同じです。皮はむき易く、じょうのう(果実の袋)は非常に薄くそのまま食べられます。
デコポンは収穫してまず冷暗所に保存されます。そして酸味が抜けてから出荷されます。もぎたてよりも少ししなびた頃の方が甘さも増して美味しくなります。
召し上がって酸が強いものは、しばらく冷蔵庫にて保存すると酸っぱさが和らぎます。
みかんに続く冬から春の柑橘として、これからますます、その地位は上がっていくものと思われます。
出荷時期:4月上旬〜4月下旬
甘夏みかんとは、文旦の流れを引く大果柑橘で、1700年頃に日本で発生した歴史の古い柑橘です。
生産時期は3月から5月、みかんが栽培されているほとんどの地域にて収穫されます。
かつて、夏みかんといえばかなり酸が強かったのですが、昭和34年、大分県の津久見市の農園で、突然変異により甘味の強い「川野甘夏」が発見され、
「甘夏みかん」として出荷が始まりました。最近では、もっと皮がむきやすく、酸も柔らかで甘味もある「清見オレンジ」や「デコポン」
などに押されていますが、まだまだ春の柑橘としての地位は確固たるものがあります。
甘夏マーマレードの作り方(材料 甘夏3個、砂糖250g)
1.へたの部分を切り、皮に切れ目を入れ適当な大きさに切り取る。
2.皮を5mmに刻む
3.刻んだ皮を厚手の鍋に入れ、たっぷりの水で沸騰するまでかるく茹でる。
4.ざるに取り、水洗いし、しっかり絞る。
5.再度たっぷりの水で茹でる(沸騰してから6,7分間)。箸で強くつまんで切れるくらい。
6. 再びざるに取り、水洗いして水分をしっかり絞る。
7.果肉の袋を取り去り、厚手の鍋に入れ火にかける。
8.果肉がばらばらになったら砂糖を入れ、中火で7,8分間煮る。
9.6で絞った皮を入れ、さらに水分がなくなるまで(お好みの水分量まで)皮と絡めながら煮て出来上がり。